- スペシャリストorマネジメントをどう選ぶ!?inukoさんが語る、スペシャリストに求められる思考とは
スペシャリストorマネジメントをどう選ぶ!?inukoさんが語る、スペシャリストに求められる思考とは
この記事に登場するメンター
今回は、ネイティブアプリ領域を中心にご活躍されているinukoさんにインタビューさせていただきました。株式会社LIFULLのスペシャリストとして活躍されているinukoさんに、今までのご経歴からエンジニアのスペシャリストとしての極意を伺います。
まずは、みなさんも気になっているこの質問から...
「inuko」の由来はなんですか?
よく聞かれます(笑)inukoとは、「イヌ」と「ネコ」をがっちゃんこした造語です。
ちまたでは、ネコは”ツン”キャラ、イヌは”デレ”キャラだと言われているので、ツンデレを合わせたらおもしろそうと思っただけで、特に意味はありません。
いや、本当はもっと深い意味はあるのですが、自分のオタクなところが出てしまい話しきれないと思うので、今回はスルーさせてください(笑)。
エンジニアを目指したきっかけを教えてください
小さいころからゲームやアニメが好きで、本当に多くの時間をエンタメに費やしてきました。特にモンハンシリーズは最もハマり、社会人になってからも仕事が終わって深夜0時を超えるまでプレイしていましたね。それくらいゲームが好きだったこともあり、普通科の高校でしたが仲の良いパソコン部の先生から「君なら作れる」と言われたことをきっかけに簡単なクイズゲームを作りました。その頃はコンピューターを使って何かしたいと思っている状態でしたが、専門学校時代に参加したドコモ東北が主催するiアプリコンテストで企画を褒めていただいた経験で”作るのが楽しい”と感じ、将来はエンジニアになりたいと思うようになりました。
エンジニアになるまでにどのような経験をしましたか
エンジニアを目指し近所のIT系専門の大学に行きたかったのですが、担任の先生から自分の適性がIT系にあるのではとおすすめされたことがあり、近所にあるIT系の大学への進学を考えました。しかし、当時は具体的な目的がない状態だったので、具体的な目的を持った上で学んだ方が技術が身に付くと考えたため、まずは専門学校に入学し、その後大学へ編入して本格的にITを学ぼうと思いました。
大学編入するための志望校選びの軸として、編入実績があること、エンジニアになったときにプログラミング以外で強みになりうる何らかのスキルが習得できることの2点を考えました。その結果、作った後に運用する観点での知識を身に付けるべく会計・経営などビジネススキルを学べる専門学校へ進学しました。そして、2年間会計の勉強をしたのち、ソフトウエア情報学部への編入を果たしました。
専門が異なる学部への編入だったので、認定される単位が少なく苦労しましたが、授業は興味のある分野ばかりだったので楽しかったです。データベースシステム学の研究室に所属し、今では普通に使われていますが、当時はまだそこまで進んでいなかった位置情報を正確に把握するためにネットワークを最適化して基地局の位置関係を電波から推定する研究をしました。
専門学校在籍中に1回、大学在籍中にも1回、ドコモ東北が主催するiアプリコンテストに参加し、特別賞を受賞しました。このコンテストでは、今の iOS や Android では当たり前になっている、アプリ内から他のアプリをダウンロードして連携できるというようなホームアプリ+ストア機能+パーソナライズというようなものを作りました。コンテストの経験を通し、広く多くの人に長く使い続けられるサービスを作りたいという想いが具現化したこと、そしてこれからはスマホの使用時間が拡大するだろうと感じ、モバイル開発をめざすようになりました。そして、大学院に進学後、スタートアップ企業でのAndroidアプリ開発のインターンシップが、最初のモバイル開発の実務経験でした。
簡単なご経歴を教えてください
新卒では、大学院時代のインターンシップ先にそのまま入社。入社後は、Androidアプリ開発に加えiOSアプリ開発にも携わることになりました。その後、アプリ側のみならず裏側のバックエンドやインフラに近い部分も触りたいと思うようになり、SaaS事業を展開するベンチャー企業に1度目の転職。
パッケージ開発や連携したアプリの設計や開発に携わっていたところ、社内体制変化により開発業務を外注することになり、管理業務ではなく開発がしたいという想いから2度目の転職を決意。LIFULLの中の人と交流できるイベントにたまたま参加してみたら、LIFULLエンジニアが全員「自分はこういうのを作りたいんだ!」「そのために今これをやっているんだ!」と本気で語り、すごく考えて行動している姿に感銘を受け、一緒に働きたいと思い、3社目として現在在籍するLIFULLへの入社に至りました。現在は、スペシャリストとして、アプリだけでなくウェブなども含めてデータ活用のためのパーソナライズ機能の開発やモバイルアプリにおけるバックエンドの新規機能提案を行っています。
スペシャリストとは何ですか?
LIFULLの一部職種(エンジニアはデザイナー)では、一定の等級まで昇格すると、マネジメントコースとスペシャリストコースの2つからキャリアのコースを選択します。
マネジメントコースとは、基本的に組織やプロジェクト・プロダクトをリードしていきます。一方でスペシャリストコースは、自分の得意な領域の専門性を高めていくことで会社に貢献するキャリアコースのことです。
自分はスペシャリストコースを選択したので、現在は”スペシャリスト”という役割を担っています。
参考:https://corp.lifull.com/n/n4d7164645001
スペシャリストコースとマネジメントコースの選択に迷いませんでしたか?
正直とても迷いました。マネジメントもスペシャリストもサービスを良くしていくための重要な役割であり、またどちらを選択しても自分のつくりたいサービスに近づけることができると思ったためです。
自分は、「自分に任せてよかった」と思ってもらうことを目指していますし、エンジニアとして自分が考えた提案で会社に貢献することを大事にしています。ビジネス系出身なのでビジネスサイドの方とのコミュニケーションをスムーズに取れる強みを活かし、「新しくこの技術が出たけど、こういう企画してみない?」といったビジネスニーズとIT技術をつなぎ合わせたり、プロダクトへの技術の取り入れ方を考えて提案をしていきたいと考え、スペシャリストコースを選択しました。
サービスの立ち上げにおいて、一緒に作っていきたいとか、チームみんなで成長することに楽しみを見出せると思うならマネジメントコースが合っていると思います。一方で、プロダクトにおける各種機能にフォーカスを当ててより良く作っていきたいと思うならスペシャリストコースが適していると思います。
エンジニアのスペシャリストとして大事なことは何だと思いますか
スペシャリストと一言で言っても、一つの技術に特化し、その技術の第一人者になるスキル特化のスペシャリストもいれば、自分のように広くモバイルアプリの領域全体を専門とする領域特化のスペシャリストもいます。自分のような領域特化の場合、一つの技術のみに特化するのみならず、それに関わる周辺の技術のレベルも上げることでいいものが作れるようになります。少なくとも、周辺技術の専門家と対等に議論できるレベルにまで上げることが求められます。
このように、役割や領域が人によって全く異なるため一概に言い切ることはできませんが、会社にとっても自分にとっても良くなる手段を考え、いろんな人に分かりやすく伝える力は大事だと思います。
使われない技術をいくら極めても、会社からの評価は得られません。誰よりも技術知識がある前提で、ユーザー行動を想定した機能を提案し、なおかつ「本当にこれでユーザーの課題は解決するのか?」と常に疑問を持つことが重要です。また、言いにくいことでも「ここがこういう理由でダメですよね、だからこう改善していきましょう」と発信できる人がスペシャリストとして活躍している印象があります。仕事という観点では、エンジニアの興味関心ではなく、実社会でちゃんと売り上げにつながる技術を知識を深めていくことが大事なので、それをうまく見極める知識と経験、そしてバランスが求められるのだと思います。
今後の目標を教えてください
何年か前に、LIFULLで『かざして検索』という機能を作り、TechTrainのMISSIONにも取り上げていただきました。今までにない探し方の提案ができたのですが、まだ作りこめていないため、一般に普及させるフェーズに持っていきたいと思っています。また、ネットを利用した住まい探しの方法を本質的に変えていき、よりスマートに探せるサービスにしていきたいです。
MISSIONとは...
オンラインで実務を体験できる開発ネタ集。企業MISSION、メンターMISSIONの2種類があり、勉強したいものはあるが何を作っていいのかわからない人・気になる企業の技術を知りたい人・スキルアップをしたい人のためのコンテンツです。
TechTrainメンターへの想いをお聞かせください
TechTrainのサービスが立ち上がったときから、実は気になっていました!昔から、人に何かを教えたり、人が育っていくのを応援するのは楽しいと感じるタイプでしたし、エンジニアが市場で不足しているのを実感しているので、少しでも貢献できればと思っています。そして、ただサービスを作るのみならず、「使ってよかった」とユーザーに思ってもらえるようなサービスの作り込みをしっかりとできるエンジニアが増えてほしいと思っています。自分の経験や知識を全力で伝えていきたいです。
TechTrainユーザーへ一言お願いします
目指しているゴールが分からなくなる時があると思います。なりたいエンジニア像や適している領域は違うと思うので、迷った時は相談してください。
エンジニアとして仕事をしていく上では、技術を磨く方向性において、その技術が売り上げにつながらなければ評価を上げることはできませんし、何ならコードを書かなくても売上につなげることができればそれが評価につながることもあるかもしれません。その中で、自分が何を作りたいか、どういう方向性でエンジニアリングを極めていきたいのかについては、自分も悩んできた部分でもあるのでアドバイスできるかなと思います。
技術の相談はもちろん、キャリアについても、ライトなものから重いものまで大歓迎です。
inukoさん、インタビューありがとうございました。スペシャリストの方は、ぱりっときりっとしたイメージになりがちですが、inukoさんの優しく包んでくれる雰囲気は、きっとTechTrainユーザーにとって相談しやすいのではと思います。
使われるサービスをつくるエンジニアを目指す方は、ぜひinukoさんと面談してみてください!
TechTrainでは今回インタビューに答えて頂いたinukoさんをはじめとして、140名以上のメンターから無料で1on1メンタリングが受けられます。サイドメニューの「面談予約」からぜひメンタリングの予約をしてみてください!