「チャンスがあれば海外で働いてみたいけど、特別なスキルが必要なのかも...」そう思っている方も多いのではないでしょうか?新卒で日経新聞社に入社後、大手総合商社のタイ現地法人を経て、現在はAdobeでグローバルに活躍しているTaketoさんに実体験を伺いました。どんな場所でも活躍できるエンジニアになるのに必要な“貢献力”の正体に迫ります。
「Yes」と言える準備をした人が、チャンスを掴める
もともと、海外で働くなんて選択肢は持ち合わせていませんでした。でも日経新聞社時代にRebuild FMというポッドキャストのイベントに参加して、グローバルに活躍する宮川達彦さんと話す機会がありました。その時初めて「海外で働く」という選択肢に気が付きました。そこから、いつか来るかもしれない機会に「Yes」と言えるように、英語の勉強を少しずつ始めていったのです。
そして社会人3年目を迎えようとしたときに、転機が訪れます。大学時代の友人から「大手総合商社のタイ現地法人でエンジニアを探してる」と声をかけてもらったんです。このチャンスのために準備していたこともあり「今しかない」と思って即決しました。もちろん不安がなかったわけではありません。ただ、それまでの数年、しっかり現場で経験を積んできたからこそ「失敗した時に日本に戻る選択肢もある」と思えたこともあり、潔く決断をすることができたように思います。結果的に、日本での経験を経たことで、納得感を持って海外を選べたのかもしれません。
アジア圏ということもありますが、英語の準備に関しては、以下のnoteをご覧いただけるとわかりやすいと思います。
「価値を届ける視点」が、“貢献力”を引き上げる
現地ではリードの経験をしたのですが、日本では経験がなく、初めてのチャレンジでした。リードとして、社内の経営層や営業の方はもちろん、パートナー企業の方とも会話する機会が多く、「事業にどう貢献するか」という視点を問われるようになりました。今まで経験のないことで、最初はよく分かっていませんでした。慣れない環境の中、分からないなりに質問し、何度も対話を重ねる中で、事業の全体像が少しずつ見えるようになっていきました。
次第に、「このプロダクトは何のために作るのか?」「どうやって会社の成長につながるのか?」と自分自身に投げかけることが当たり前に。そうして、自分のアウトプットにも変化が生まれました。単に「仕様通りに作る」だけでなく、「どうすればユーザーに届くか」「どうすれば価値が最大化されるか」を考えるようになっていったんです。 “正しく作る”から“価値を届ける”ことを大切にする意識の変化が、エンジニアとしての貢献力を大きく引き上げてくれました。「視座」が変わると、同じコードでも意図が変わってくる。それは単なるコードの話だけでなく、チームの中でどう信頼を築き、どう価値を共創するかという視点にもつながっていきました。
チームの信頼関係が、より大きな成果が生まれる
より大きな成果を出すには、チームの力が必要です。価値あるプロダクトをチームで届けるために、信頼を築くことを意識するようになりました。当時のチームでは出社して会話しながら進めるマネジメントが中心だったこともあり、「小さなことでも、一つひとつ丁寧に確認」し、とにかく対話を重ね、意図をしっかりと伝えることを大切にしたんです。初めこそ大変でしたが、コミュニケーションを重ねるにつれて、メンバーとの信頼関係が築けている実感がありました。この時から、チームとして組織に貢献する動きができるようになっていったように思います。
信頼関係を築くことは、海外組織に限った話ではないですが、この経験を通じて、「事業に貢献するには、そこで働く人同士の信頼が必要不可欠だ」ということを強く実感しました。個人としてどんなに技術や語学力があっても、チームメンバーとの関係性がなければ大きな成果は出せません。この時に経験した異文化の中で信頼を築く力は、後のグローバルな環境でも確実に活きる、自分の“貢献力”の土台になりました。
「目指す未来」を描ける人が、どこでも活躍できる
グローバルに活躍するために大切なのは、やっぱり「いち会社員としてどうやったら事業成長に貢献できるかを考えられる視座」。一言で言えば、“貢献力”です。これは、AIが発展した時代において、なくてはならないソフトスキルだと思います。ぜひ、自分が作った機能でエンドカスタマーに影響を与える経験や自分の仕事で会社全体を動かすような、組織で働かないとできない経験を積んでみてください。
もちろん私もそんな経験を積んできて、“貢献力”の大切さを身をもって感じています。それは、ここまで話してきたタイでチームや事業に貢献するために考え抜いてきた経験と、Adobe入社後の動画編集ソフト『Premiere Pro』の字幕翻訳機能の開発プロジェクトでの経験です。この経験は、私の人生で初めて世界中にユーザーがいるプロダクトの開発となりました。 実際にリリースされたあとの「自分が関わった機能が、世界のどこかで使われている」というエンドユーザーに大きなインパクトを与えることができた貴重な機会でした。
ここまで「グローバルに活躍するには」と話してきましたが、“貢献力”は、どんな環境で働くとしても、必要なスキルだと感じます。
事業にインパクトを与える“貢献力”は、今から磨ける
グローバルで活躍するには、英語力や特別なスキルが必要だと思われがちです。もちろん、最低限の英語力や技術力は必要なことには変わりありません。でも、それ以上に、「事業の目指す先に向けて、自分はどう貢献できるのか」を常に考え、行動し続けることが一番の力になると思っています。
“貢献力”は海外に行く前から、育てることができます。
たとえば、
- 機能開発をするとき「この機能は誰の何を良くするのか?」を自分に問いかけてみる
- 「こんな機能を作りたい」と提案されたとき「これをするとユーザーにどんなインパクトがあるのか?」を自分の中で考えてみる
そんな小さな習慣が、信頼を築き、視座を上げ、次のチャンスに繋がっていくと思います。また、もし海外にすぐに繋がらないとしても、必ず現場で役立つスキルであることは間違いありません。ぜひ、“貢献力”を磨いて、どんな場所でも活躍できるエンジニアを目指してみてください。
また、本気で「海外に挑戦したい」と思っている方は、この“貢献力”を磨くこと、英語の勉強と並行して、グローバルキャリアのイベントに出向いたり、現地の求人に日本から応募してみたり具体的なアクションを起こすことも必要です。
チャンスに出会う数を増やし、準備をしておけば、いつでも「Yes」と言えるはず。ぜひ、どれかひとつでも今日から始めてみてくださいね。
Taketoさん、貴重なお話をありがとうございました!「貢献力」は、誰もが今日から鍛えられる力。そしてそれは、どこで働くかに関わらず、キャリアを拓く土台になります。世界とつながるキャリアに一歩踏み出したい方は、まずはSlackやミーティングで「誰に、どんな価値を届けているか?」を一度立ち止まって考えてみることから始めてみてください。その小さな問いが、あなたの貢献力を育て、未来の選択肢を広げてくれるはずです。
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