• 「好き」な技術で生きていく。Iwaken Lab.で実践するキャリア哲学

「好き」な技術で生きていく。Iwaken Lab.で実践するキャリア哲学

2025.03.18読了目安: 11
メンターインタビュー
「好き」な技術で生きていく。Iwaken Lab.で実践するキャリア哲学

この記事に登場するメンター

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イワケン

株式会社サイバーエージェント

3D(Unity), C#, AR, VR

今回は、サイバーエージェントのXR研究所所長でありながら、個人としてIwaken Lab.(イワケンラボ)というコミュニティ運営をしているイワケンさん。Iwaken Lab.設立の原点からキャリアに対するアツい想いに迫ります!

ご経歴を教えてください

東京工業大学在学中にXR開発に魅了され「これを仕事にしたい」と考えるようになる。卒業後、株式会社サイバーエージェントにUnityエンジニアとして入社。
入社式を終え、いざ配属というタイミングでグループ会社でVTuber事業が立ち上がるという話を聞き、「やりたい」と手を挙げ参画。その後、バーチャルプロダクションやメタバース事業部を経験し、XR周辺の分野に携わってきました。現在は、XR研究所所長としてApple Vision Proを活用した新しい体験の開発等、XR領域での事業創出にチャレンジしています。

また並行して、「好きな技術で社会インパクトを与える」ことを目指すIwaken Lab.でXR事例と人材を育てるための人生活動をしています。

Iwaken Lab.(イワケンラボ)について詳しく教えてください

Vision:バイネームで活躍する技術好きのサードプレイス

Mission:好きな技術で社会インパクト

Value:「志」とトガらせて言語化 / 面白い技術&人間と「ワイワイ」/「勝手に」学び、発信 /「自分の土俵」で勝負 /「ときめき」ドリブンで「軽率」に行動 / 主人公のような「自分らしい」決断

このようなMVVを持つ、技術好きが集まるコミュニティで、現在のメンバーは、学生から社会人3年目までの57名が在籍しています。僕がXR領域を好きでやっているせいかXR好きなメンバーが集まりやすいですが、特に限定はしていません。自分の好きな技術を社会人になってからも追求し、人生の中に取り込めるようになって欲しいなと思っています。

どんな想いでコミュニティ運営をしていますか

Iwaken Lab.は、技術好き学生が抱える「もったいない」状況をどうにかしたいという想いでスタートしました。学生時代、XRを学んでいたものの、同じ領域にいる同世代の少なさに、孤独を感じていました。技術が好きでも、それを活かせる環境と思想が整っていなければ、その可能性が埋もれてしまう。そうした状況を何とかしたいと思ったのが、Iwaken Lab.を始めた原点です。さらに、XR市場はまだ成長過程にあり、例えばWeb技術と比べて仕事の選択肢が限られています。自ら仕事やマーケットを作っていかなければ、技術を極めた人材が活躍できる場が生まれないと考えています。Iwaken Lab.では、こうした課題を解決するために、高い熱量を持った人たちが集まり、語り合い、切磋琢磨しながら、自分の好きな技術 (XRなど) を活かして自分らしいキャリアを築くためのロールモデルを一緒に作り出しています。具体的には、志の言語化を一緒に行ったり、技術を活用できる活躍の場を創ったり、発信の支援を行っています。Iwaken Lab.のメンバー(通称ラボメン)には自走力のある人になって欲しいと考えています。自分自身が自走力を持ってキャリアを開拓してきたというのがありますが、その背景には、私が感銘を受けた『野村ノート』という書籍があります。この書籍は、野村克也監督が、当時低迷していたヤクルト球団を優勝へ導くまでの哲学や指導論を記した本です。小学4年生のときにこの本を読み、将来自分も「誰かの成長を加速させたい」と思うようになりました。

その影響で、中学でも野球部に入部しましたが、最も惹かれたのはランナーコーチ(走塁指示をするポジション)でした。高校時代は野球部のプレイヤーではなくマネージャーを志願して3年間やり抜きました。、大学時代は家庭教師、プログラミングメンターとして教育に携わりました。、きっかけは野球でしたが、振り返ると一貫していつも誰かの成長に向き合う立場にいました。

試行錯誤する中で、自走力の重要性に気づきました。そして、その力を伸ばすために、どのような言葉をかけるべきか、どのようなコミュニティ文化を設計すべきかというのを研究していました。ラボメンには、自走力を磨くことで成長スピードを加速させて欲しいと考えています。そのためにもIwaken Lab.は技術を愛し「自分を持つ人」を支援し、共に成長できるコミュニティであり続けたいと思います。

コミュニティでどのような成長を目指していますか

ラボメンには、自走力を身につけるために、入会時に私との1on1で自分の強み、やりたいことを明確にする機会を設けています。自分の強みを把握し、やりたいことが明確になれば、自走の土台が整うからです。

その時に大切にしているのは、単にXRをやりたいという思いだけではなく、なぜやりたいのか、どうやりたいのかをとことん話して志を尖らして言語化することを大事にしています。

例えば、福岡県在住のもふるねさんというラボメンがいるのですが、最初面談をした時は「XR開発が好き」というふわっとした思いの持ち主でした。ここから「なぜXR開発が好きなのか」「なぜ創作が好きなのか」という”なぜ”を繰り返し問いかけます。その結果、中学校時代まで遡り、中学2年生の時にジョジョの奇妙な冒険 (以降ジョジョ) の漫画にハマり、中学3年生の卒業研究でジョジョの発表をしてめっちゃウケたことが創作を好きになった原体験だと認識します。

そこから、彼がジョジョをテーマにした作品をBlenderやUnityで創作していることに気づきました。本人も一緒に面談して初めて認識します。

この「好き」に基づく継続的なアウトプットをもとに、他人に負けない「得意」を再認識し、「志」の言語化へとつなげていきます。最終的に「XR技術を活かした作品でジョジョの荒木先生とコラボする」という明確な志を言語化しました。

この志の言語化をしたことによって、彼の自走力は飛躍的に向上し、さまざまなハッカソンやイベントに積極的に参加。受賞や登壇などの実績を積み重ねる中で、次第にその名が知られるようになっています。

これはIwaken Lab.の私の活動の一部ですが、吉田松陰が作った松下村塾のように、ラボメンが5年後10年後のキーパーソンとなり、世の中を変えていく人を増やす「令和の松下村塾」を目指しています

イワケンさん流キャリアの考え方を聞かせてください

まず、「得意」なことを認識することを大切にしています。「得意」とは、みんなにとってストレスだが、私にとってはストレスでない領域と定義しています。私の場合は、エンジニアでありつつも、他人の自走を応援すること、考えや感情を言語化すること、Unityのプロトタイプを素早く作れることが他人より「得意」なことだと認識しています。「なぜ他人を応援する事が好きなの?」と聞かれても、「なぜみんなはしないのだろう?」と思うほど、当たり前のことだと感じています。この当たり前の差分が「得意」だと考えています。

次に「得意」が求められるポジションや環境がどこか考えます。

例えば、プロトタイプが素早く作ることが得意であれば、新規事業系の仕事やスタートアップ環境が向いているかもしれません。考えや感情を言語化する能力が得意であれば、様々な職種とコミュニケーションをとる役割がフィットするかもしれません。

このように、「得意」を起点に環境を選ぶことで、無理なく力を発揮でき、自然とキャリアが広がっていくのではないかと考えています。

最後に、どうすれば「好き」を仕事にできるのかを考えます。私が大切にしているのは、「運」を磨く (確率を上げていく) という考え方です。そのために、常に準備をし、発信を続けることが重要だと思っています。例えば、私は「XR」が好きでしたが、最初から仕事として任されたわけではありませんでした。

仕事ではまず「得意」を活かし、さまざまな経験を積む一方で、「XR」については趣味の延長として開発を続け、社外のXRコミュニティで積極的に活動しました。その結果、社外での活躍が会社にも知られるようになり、ある日、「XR研究所の立ち上げを任せたいのだけど、どう?」とオファーをいただきました。さらに、個人としてもXRに関する仕事の依頼を受けるようになりました。

このように、「好き」を仕事にするには、無理に直結させるのではなく、まずは自分の「得意」でポジションを築きながら、「好き」を磨き続けることが大切です。そして、チャンスが訪れたときにそれを掴めるかどうかは、自分がどれだけ準備し、発信をしていたかにかかっていると思っています。

TechTrainメンターへの想いを教えてください

メンターになったきっかけは、XR領域以外の学生も応援したいという想いからでした。そして、TechTrainなら、自分の経験を活かして貢献できるのではと考え、メンターへの就任を決めました。「好き」な技術で生きていくという考え方は、一見楽しそうですが、その道は決して平坦ではありません。しかし、どのように登ればよいのかが分かれば、実践できるはず。私は、その可能性を探りながら実験しているのが Iwaken Lab. だと考えています。

実際、Iwaken Lab.の学生たちは、自分の人生に向き合いながら、納得できるキャリア選択をしてきました。そのプロセスの中で培われたノウハウや考え方を、より多くの学生にシェアしたい。そんな想いでTechTrainのメンターを続けています。

ここまで読んでくれた方へ一言

すでにあるレールを歩くより、新たにレールを作りたいと思う人とお話したいです。私は、人が「得意」をどうキャリアに織り交ぜていくのかを一緒に考えたり、言語化することが好きです。将来の業界や仕事を開拓していきたいけれど、どうすればいいのか迷っている人のサポートをしていきたいと思っています。

技術面では、Unityの非ゲーム領域が専門なので、興味がある方には具体的なアドバイスもできると思います。「イワケンといえばXR」という印象を持っているかもしれませんが、XRに限らず、キャリア相談や新しい分野を開拓するための作戦会議も大歓迎です!

一緒に、好きな技術で生きていく人生を作り出していきましょう!


インタビューありがとうございました!

イワケンさんのインタビューでは、「自分をどう表現するか」「何を大切にして生きるか」という深いメッセージを感じる事ができました。その姿勢がラボメンの方々に大きな影響を与え、成長する原動力になっているのでしょう。

自分の強みを見つけ、仕事を作り出す力を身につけてキャリアを切り開いていきたい方は、ぜひ”XR界の吉田松陰”イワケンさんと面談してみてください。

TechTrainでは今回インタビューに答えて頂いたイワケンさんをはじめとして、150名以上のメンターから無料で1on1メンタリングが受けられます。サイドメニューの「面談予約」からぜひメンタリングの予約をしてみてください!

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