• 大学入学までPCに触れていなかったRiku Naganoさんがドローン×AIで起業するまで。

大学入学までPCに触れていなかったRiku Naganoさんがドローン×AIで起業するまで。

2024.12.10読了目安: 7
メンターインタビュー
大学入学までPCに触れていなかったRiku Naganoさんがドローン×AIで起業するまで。

この記事に登場するメンター

今回は、TechTrainメンターのRiku Naganoさんにインタビューさせていただきました。TechTrainメンターの中でも相談できる技術分野やスキルが幅広い中、AI領域を専門として現在活躍されているNaganoさんに、今までのご経歴や起業に至った背景などを伺っていきます!

まず、あまりメンタープロフィールでは触れられていない大学時代の研究内容から教えてください

高校時代から、”ものを作ってそれを食べる”という食のライフサイクルに興味があり、一次産業である農業分野で何かやりたいと思っていました。大学入学当初は、生物学系の研究者やリサーチャーを目指して生態系などをメインに学んでいましたが、次第に、農業とITの相性の良さから「AIってなんだ?」「農業×AIはおもしろそう」と関心を持ち、大学・大学院では農業分野での画像認識モデルの研究をしました。

余談ですが、高校まではサッカー少年だったため大学入学まで全くPCを触ったことがなく、最初はPCの簡単な操作すら分からない状態でした。専攻が情報系だったため授業や課題でPCに触れる機会に恵まれ、理系学習で鍛えた論理的思考と持ち前の負けん気でいい感じにプログラミングにハマっていき、エンジニアを目指すようになりました。それからは開発系インターンシップを通して、React.jsを使ったWebアプリ開発、モバイルアプリ開発など経験を積んでいきました。

社会人になってから大小さまざまな企業規模をご経験されていますが、大企業、ベンチャー起業ならではの良さはどこにあると感じますか?

まず、新卒でソフトバンク株式会社にデータサイエンティストとして入社。様々な論文を参考に自社で使える技術の検討を行いました。

自分が経験した大企業としては、ソフトバンクやアクセンチュアがそれにあたると思います。大企業の最も良いところは、在籍する人も多い分、エンジニア・ビジネスサイド問わず圧倒的に多くのおもしろい人と出会うことができることです。きっと、想いの強い人や行動力のある人が自ずと集まってくるのでしょう。現に、自分はソフトバンク時代に出会った仲間と一緒に会社を立ち上げましたし、今も一緒に仕事をしているメンバーがいます。

一方でベンチャーやスタートアップのような企業のメリットは、技術者としてどういうものをどう作っていくかの判断スピードが速いこと、それらの裁量権を若手でも持てる可能性が高いことです。大手だとどうしても承認プロセスに多くの時間がかかってしまう傾向がありますが、ベンチャーだと自分や自分と近い人が決裁者であることが多いのでスピーディにプロジェクトを進めることが可能な点が良いなと感じます。

実務での開発以外に資格もたくさん取得されていますが、どのようなタイミングで取得を目指しましたか?

今までに、基本情報技術者、JDLA DEEP Learning for ENGNEER、Certified Kubernetes Application Developer (CKAD)などの資格取得をしてきましたが、そのほとんどが実務で必要になったことをきっかけに勉強しました。資格取得を目標にして技術を勉強する方もいると思いますが、自分は必要に応じて取得するタイプです

例えば、CKADを取得するに至ったきっかけは、AIシステム開発においてサーバへの負荷が大きいことからKubernetesで管理するようになったことでした。当時はKubernetesへの理解が曖昧であったため、きちんと理解して使えるようになりたいと思い資格の勉強を始めました。

実はこの資格を取得するきっかけとなったプロジェクトですが、もともとフロントエンド担当でジョインしていたものの、「バックエンドもよろしく」「インフラもお願い」と、いつの間にか担当範囲が広がっていきました(笑)。自分はジェネラリストタイプなので、いろんなレイヤーに携わることでシステム内の繋がりを深く理解でき前向きに業務を進めることができましたし、幅を広げることでいろんな技術に触れることができたのが楽しかったです。

大企業、ベンチャーと経験してきた中、起業した背景を教えてください

様々な活動をしているがゆえに、多くの面白い方と出会う機会があります。出会った方々と交流していると「こんなサービスがあったらいいね」と話が盛り上がることも多く、いろんな方のサポートに恵まれて起業することになりました。起業したい気持ちがもともとあったわけではなく、やりたいことを実現すべく環境を整える手段が起業だったのです

ちなみに、2022年に2社法人化しています。

ありがたいことに、「一緒に仕事がしたい」と言ってもらえることが多々あり、社員も少しづつ増えています。起業する自分の覚悟はもちろん大事ですが、何より人との出会いに恵まれていると心から感じています。

たくさんの方との出会いがきっかけで起業をしましたが、その中でもやはり何かに尖っている方や技術を極められた方と出会うときはいつも衝撃を受けます。過去、SecHack365でセキュリティ分野の技術を極めている方、技術系イベントでAndroidを極めた方と出会ったことがあり、広くマルチにやる自分とは真逆のタイプだったので単純にすごいなと思いましたし、各々が目指すエンジニアリング道の違いが興味深かったです。

今後の目標を教えてください

現在、1つの会社で進めているドローン事業をスケールさせたいと考えています。エンジニアリングにおいて、ハードウエア領域でのサービス事例はまだまだ少ない領域です。

例えば、ドローンにおいて、英語の文献は結構ありますが日本語の文献を探すのはとても大変です。Pythonでドローンを自動運転させられる方法を知らない方も多いのではないでしょうか。

この事業をスケールさせることで、将来は、ドローン×AI、ドローン×教育のサービスを展開し、さらには日本語の文献に寄与していきたいと思っています。

最後に、TechTrainユーザーにメッセージをお願いします

自分の場合は、スキルアップを目的に机に向かって勉強することは稀で、開発経験を経て習得することがほとんどでした。そのためには、いかにゴールに対して細かくロードマップを引くことができるかが重要になってきます。タスクを細分化することで難易度を下げ、小さなタスク処理を繰り返すことでゴールに向かっていきましょう。

基本的にはどんな相談も大歓迎です!

AIを軸に、Webフロントエンド・バックエンド、インフラ、デザインまで広く実務経験を積んできましたし、TypeScriptやPythonでバックエンドを開発したこともあります。自分の経験が少しでもスキルアップを目指す皆さんのためになれば嬉しいです!

強いて言えば、「こんなAIモデルを作ってみました!」というAI関連の相談は自分の畑でもあるので話が盛り上がると思います。以前、自分のAIシステム開発の話をしたことがあり、PythonのFlaskやDjangoでどうやってAIモデルのAPI化したのかというネタで大盛り上がりしたことがありました。


Riku Naganoさん、ありがとうございました!こんなにたくさんの経験をされており、幅広い技術の相談ができるNaganoさんが大学までPCを触っていなかったと聞いて驚きました。技術や人、出会ったあらゆるものに対して好奇心を持って、「面白い」と楽しみながらできるマインドがスキルアップを加速させ、起業するに至った秘訣かもしれませんね。


TechTrainでは今回インタビューに答えて頂いたRiku Naganoさんをはじめとして、140名以上のメンターから無料で1on1メンタリングが受けられます。サイドメニューの「面談予約」からぜひメンタリングの予約をしてみてください。


12月には、Riku Naganoさんのメンター執筆シリーズの記事を公開します!テーマは、Naganoさん専門の「AIエンジニアリング」です。

公開を楽しみにしててくださいね。