- “作りたいもの”を軸に学べ!デザイナー&エンジニアが両立するmasaさん流キャリア
“作りたいもの”を軸に学べ!デザイナー&エンジニアが両立するmasaさん流キャリア
この記事に登場するメンター
今回は、デザイナー、SIerのご経験を経て、現在はフルスタックエンジニアとしてご活躍のmasaさんのインタビューです。デザイナーとエンジニアのスキルを掛け合わせて業務をこなす極意、ご友人が起業した会社で働くメリットなどを伺っていきます!
ご経歴を教えてください
中学生の頃から人間の認知や学習などに興味があり、慶応義塾大学の環境情報学部(SFC)に入学。学部の頃はことばの発達や確率的な意思決定などの認知科学をメインに学び、修士ではそろばんのエキスパートの神経ネットワークを解明する脳科学の研究をしました。在学中、研究室の先輩が立ち上げた教育系ベンチャー企業で約5年間インターンシップに参加。インターン生にいろいろ学ばせてくれる環境であったため、仕事の取り組み方、デザインの考え方などをイチから叩き込んでもらいました。入社当初はこっぴどく叱られる日々でしたが、1年くらい経つと先輩から指摘されることが減り、デザイナーとして一人前に近づけたと思います。
新卒では、日系大手の金融系SIerに入社。インターンシップでベンチャー環境を十分体験できたので、次は社会的影響力を持ち、世の中に貢献している日系企業に入社しようと思ったのが理由です。入社後は、デザインの発想や考え方を評価され、社内で最大級の予算規模のWeb系システムの再構築プロジェクトにアサインされ、システム開発の最上流を経験しました。大学院やインターンシップでやってきたことに囚われず、ゼロから叩き上げてもらおうという気持ちで入社したので、とてもいい機会に恵まれました。
その後、同級生が立ち上げたスタートアップにプロダクトを立ち上げるタイミングで1人目の社員として転職しました。
なぜ転職をしようと思いましたか
大きなプロジェクトに関われたことは良かったのですが、プロジェクトが大きい分、自分の関わっている要素が小さくなってしまいました。自分で考えたプロジェクトにこそ情熱を持てるタイプであることに気が付き、裁量多くプロジェクトに関わりたいと思うようになったのが、転職を考え始めたきっかけです。
転職準備として、まずは自分で作りたいものを作れるようになろうと考え、働きながら独学でプログラミングを学びました。ちょうどRuby on Railsがスタートアップ界でよく使われるようになった頃でしたので、Ruby on Railsから学び始めました。その後、目的に合わせてTypeScriptやPythonに得意分野を広げていきました。
転職をする上で、どのようなことを大事にしましたか
いつか0→1のプロダクト開発をやってみたいと思っていたので、スタートアップへの転職を第一に考えていました。30,40代になってからスタートアップに携わるのはちょっと怖いと感じていたので、20代である今飛び込んでみようと思ったことがきっかけです。
また、スタートアップで働くことは決して楽ではないと覚悟していたので、共に苦境を乗り越えられる人がいることを重視していました。事業をスケールさせるための思考力や行動力、物事に向き合う熱量や真面目さを持つメンバー、信頼できる経営者の下で働きたいと思っていました。
そんな会社を探していたところ、起業した同級生に声を掛けてもらい、事業フェーズが私の理想と合致していること、信用できる人であったことから転職を決断しました。
同級生の会社で働いてみていかがですか
特にデメリットは感じず、むしろ働きやすいと思います。学部の頃から存在を知っていて、すごく仲がいいというわけではなくお互いに顔を知っている程度でしたので、いい距離感で仕事ができていると思います。
最も大きなメリットは、お互いの性格やコミュニケーションスタイルを知っていることです。価値観の観点でも、ビジネスにおける決断軸、プロダクトへの熱量や課題に向き合うスタンスが私と似ていると感じます。大学や研究室が一緒だったから、という理由だけではないと思いますが、少なからず興味関心が近いという意味で影響しているかもしれません。
働く上で、会社組織をどう作っていくか、チームをどうまとめるかなど「ヒト」に重きを置く人と、ビジョンを実現するためにどうサービスをどうデザインするのかの「モノ」を追求する人がいると思います。代表の同級生は「ヒト」を、私は「モノ」を重視するタイプで、それぞれに異なっていることも補完し合えるいい関係だと思います。
「コト」へのこだわりを詳しく聞かせてください
私の「コト」へのこだわりは、プロダクトを通して高いクオリティで新しい体験を実現することです。今までBtoBプロダクトをメインに携わってきたのでその領域で言えば、仕事において今まで存在しなかった便利さの体験を提供したいと考えています。しかもそれが、とりあえずできますというレベルではなく、「おもてなし」を感じられるような良い体験として提供したいのです。
新しい体験を質高く実現するために、自分の中にデザイナーとエンジニアの両チームがいる感覚で、上流工程から実装までフルスタックに協働することで実現しています。どんなに体験設計が素晴らしいものでも、見た目がダサいとがっかりさせてしまうと思うので、UIの細かなところにもできる限り気をつかっています。分業も効率という意味では正しいと思いますが、プロダクト内で統合された体験を提供するためには、自分一人で完結できる方が安定したクオリティを出せることが多いと自分の経験では感じています。というのも、たとえお互いがクオリティを高めたいと思っていても、何をもって高いクオリティなのかのギャップは少なからず発生してしまうからです。その点、自分一人で完結できるのは大きな強みになっていて、n1でユーザーの感想を聞き、自分でも触れてみて、繰り返し試行錯誤することで新たな体験を創造するよう心掛けています。
どうしたらデザイナーとエンジニアのフルスタックになれますか
私は、デザイナーを約5年、エンジニアを約5年それぞれ経験し、約10年かけてようやく一人前のフルスタックになれました。誰でもこれから時間をかけて各職種の経験値を伸ばしていけばフルスタックになれると思いますが、人生における優先順位は人それぞれだと思うので、誰にでもおすすめできるものではありません。
ただ、デザイナーだとしても、エンジニアだとしても、相手の立場になって考えることが大事です。単にFigmaが使えるとか、コードが読み書きできるといったスキルではなく、その職種のプロが何をもって良いプロダクトだと思って仕事をしているのかを理解することが重要だと感じています。
例えば、私がデザイナーとしてこだわっている点は、エンドユーザーの体験や提供する価値で、エンジニアとしてはプロダクトの中長期的な運用を想定した機能整理などの保守性や開発者体験にこだわっています。
TechTrainユーザーへ一言メッセージをお願いします
私は、プログラミングやフレームワークをほぼ独学で学んだのでかなり時間がかかりました。気軽に質問ができる環境があるならば、絶対に活用すべきです。TechTrainにはすごいメンターが揃っているので、例えば表面的なところに躓いていると思っていても、本当は違う視点で躓いていることもあるので、プロ目線のフィードバックをもらうことで、楽に学習効率を上げることができます。私は幅広い立場や開発現場に携わってきたので、デザイナー目線でのアドバイス、エンジニア視点でのアドバイスの両側面を踏まえた助言が得意です。そういった新しい視点を増やすためにも、面談を活用するといいと思います。
そして、学習する時は課題をこなすのではなく、自分が作りたいもの、実現したい体験のために技術を考えることを大切にしてください。「これが作りたい」や「このような体験を実現したい」といったゴールを明確にしてメンター面談や教材を活用することで、ちゃんと使えるスキルが定着します。かくいう私も、初学者の頃は作りたいものはありませんでした。そんな時は教材のゴールを意識し、なぜ今これをやっているのかという目的を忘れずに取り組みましょう。
どれだけ技術を深く学べるかは自分の興味関心の強さによると思いますが、どれだけ早く学べるかは環境に左右されると思います。30分考えて分からなかったら質問するようにすると、きっと2倍3倍のスピードで成長できるでしょう。早く成長した分、幅広い経験を積むことができます。一緒に頑張りましょう!
masaさん、インタビューありがとうございました。良いプロダクトを作る上で、エンジニアとデザイナーとがどのように関わっていくべきか、さらに深く知りたくなるインタビューでした!ユーザーに喜ばれるプロダクト開発を目指している方は、ぜひmasaさんと面談してみてください。
TechTrainでは今回インタビューに答えて頂いたmasaさんをはじめとして、150名以上のメンターから無料で1on1メンタリングが受けられます。サイドメニューの「面談予約」からぜひメンタリングの予約をしてみてください!