Node.js、Deno、Bun、そしてVite。JavaScriptの土台を支える4人が、Vue Fes Japanで語り合う理由

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特集
Node.js、Deno、Bun、そしてVite。JavaScriptの土台を支える4人が、Vue Fes Japanで語り合う理由

「npm run dev」「bun install」「deno run」

普段なにげなく打っているこのコマンド。その向こう側で、ツールをつくり、育ててきた人たちが、ひとつのステージにそろいます。ツールの成り立ちにある"ドラマ"を、作り手本人たちから聞けるかもしれない機会です。

Vue Fes Japan 2026では2つのパネルディスカッションが用意されています。そのひとつが、本記事で紹介する『JavaScriptエコシステムの境界線を問い直す』です。

登壇するのは、Vue.js・Vite作者 Evan Youさん、Japan Node.js Association代表理事 古川 陽介さん、AnthropicでClaude CodeとBunに取り組む Alistair Smithさん、Deno・JSRの開発に携わる Leo Kettmeirさんの4人。

毎日使っているのに、その成り立ちや作り手のことは意外と知らない。そんなツールも多いのではないでしょうか。本記事では、パネルのテーマである「境界線」が何を指しているのか、そしてなぜこの4人がそろうことがすごいのかを、当日に向けて予習していきます。いつものコマンドを打つときの景色が、少し変わるかもしれません。

いつものコマンドの裏側で、溶け始めている境界線。

たとえばBunは、ランタイムでありながら、バンドラーやテストランナー、パッケージマネージャーまでをひとつにまとめています。Denoのチームは、Node.jsやBunなど、Deno以外の環境からも使えるJSRという新しいレジストリをつくりました。Viteの周りでは、VoidZeroがRolldownやOxcを中心に、ビルドからリント、フォーマットまでをつなぐツールチェーンを整えています。

ランタイムはコードを動かすもの、ビルドツールはコードをまとめるもの。そんな分け方は、少しずつ当てはまらなくなってきました。パネルの公式の紹介文にも、こう書かれています。

近年のJavaScriptエコシステムでは、それぞれ従来の役割を越えて進化しています。個々のツールが担う領域は広がり、その境界は以前よりも曖昧になりつつあります。

どこまでを自分たちで担い、どこからを委ねるのか。いつもなにげなく使っているツールの便利さは、作り手たちのそんな判断の積み重ねでできています。

Vite、Node.js、Bun、Deno。4つのツールの、その先にいる人たち。

Evan Youさん|Vue.js・Viteの作者、VoidZero CEO

Evan You(@evanyou)さんは、Vue.jsとViteの作者です。現在はVoidZeroのCEOとして、JavaScriptのツールチェーンの開発に取り組んでいます。

Vue.jsの開発の中から生まれたViteは、今ではVue以外の多くのフレームワークでも使われています。Vue Fes Japanの公式メッセージでも「Web開発の体験を一変させました」と紹介されていて、この広がりは、Vue Fes JapanがVue.jsだけに閉じないカンファレンスへとリブランドするきっかけにもなりました。

VoidZeroでは、Oxcをコアに、バンドラーのRolldown、リンターのOxlint、フォーマッターのOxfmtなどを開発しています。2025年のViteConfで発表された統一ツールチェーンのVite+は、2026年3月にオープンソースとして公開され、同じ月にはデプロイのためのプラットフォームであるVoidも発表されました。

VoidZeroの公式ブログによると、6月にはチームがCloudflareに加わり、その後もVite、Rolldown、Oxc、Vite+はMITライセンスのオープンソースとして開発が続けられています。

古川 陽介さん|Japan Node.js Association代表理事

古川 陽介(@yosuke_furukawa)さんは、Japan Node.js Association代表理事で、JSConf JPのオーガナイザーです。株式会社リクルートでフロントエンド領域のグループマネージャーを務め、株式会社ニジボックスではデベロップメント室室長を兼務しています。

技術の「裏側」を知らずにいられない古川さんの探究心や、コミュニティへの想いについては、以前のインタビュー記事で詳しくお話を伺っています。

Alistair Smithさん|Claude CodeとBunに取り組むエンジニア

Alistair Smith(@alistaiir)さんは、言語設計と分散システムに関心を持つエンジニアです。AnthropicのMember of Technical Staffとして、Claude CodeとBunに取り組んでいます。

Bunは、bunというひとつの実行ファイルで動く、JavaScriptとTypeScriptのためのツールキットです。その中心にあるランタイムは、Node.jsの代わりとしてそのまま使えるように設計されています。2025年12月にAnthropicがBunを買収し、その後もMITライセンスのオープンソースとして、GitHubで開発が続けられています。買収の発表では、Claude CodeやClaude Agent SDKを支える基盤としての役割にも触れられています。

AIを使った開発が広がる今、ランタイムとAIのツールはどう関わっていくのか。その接点で開発に取り組んでいるのが、Alistairさんです。

Leo Kettmeirさん|Deno・JSRの開発者

Leo Kettmeir(@crowlKats)さんは、Denoのソフトウェアエンジニアです。WebSocket、WebGPU、Web Storageなど、主要なWeb APIやランタイム機能の実装に携わってきました。

開発者体験を良くするためのツールやドキュメントにも力を注いでいて、公式プロフィールで「npmのモダンな代替」と紹介されているJSR(jsr.io)のメンテナーとして、ドキュメントツールやレジストリ基盤をリードしています。TC39やTC55ではDenoの代表として、JavaScriptやWeb標準づくりにも関わっています。

それぞれの場所から、JavaScriptを支える4人。

古川さんは以前のインタビューで、プログラミング言語についてこう話していました。

「プログラミング言語は『作者が描いた箱庭』だと思っています。言語によって、成り立ちがまるで違う。この言語を書く人にはこういうふうに書いてほしい、という作者の思想が言語の設計に宿っていて、その哲学をインストールすることでコードの書き方が変わる。」

ツールにも、同じことが言えるのではないでしょうか?それぞれのツールには、それをつくり、育ててきた人たちの思想が宿っています。今回の4人が関わるツールを並べてみると、それぞれが違う場所からJavaScriptエコシステムを支えていることが分かります。

  • Evan Youさん:Vite、Rolldown、Oxcなど、ランタイムの上で動くツールチェーン
  • 古川 陽介さん:長く使われてきたNode.jsと、日本でそのコミュニティを育ててきたJapan Node.js Association・JSConf JP
  • Alistair Smithさん:ランタイムとツールがひとつになったBun
  • Leo Kettmeirさん:Web標準を重視するDenoと、レジストリのJSR

ばらばらに見えていたそれぞれの領域は、実は隣り合っていて、その境目は少しずつ重なり始めています。公式の紹介文にある「互換性を守ることと独自の価値を生み出すこと」という言葉も、まさにこの境目の話。ランタイムをつくる側、その上でツールをつくる側、コミュニティを支える側で、見えている景色はきっと少しずつ違うはずです。

ツールとツール、実装と標準、プロジェクトとコミュニティの間にあるもの。

パネルでは、次のような問いを手がかりに議論が進む予定です。

  • 1つのツールは、どこまでを自ら担い、どこからをほかのツールや標準に委ねるべきか
  • 互換性を守ることと独自の価値を生み出すこと、技術的な進化とオープンなエコシステムを持続させることは、どのように両立できるのか

※内容は予告なく変更となる可能性があります。

ファシリテーターを務めるのは、株式会社WinTicketでWeb領域のテックリードを務め、Webエコシステムへの貢献と観測を続けているre-taro(@re_taro_)さん。使い方だけでは見えてこない、ツールの「裏側」と「これから」を、つくっている本人たちから聞けるのは、この場ならではです。

なお、同じ15:50からは、Vueトラックでサーバーサイドフレームワークのパネル『サーバーサイドフレームワークの未来を語る── Nitro / Hono / Elysia と辿る「過去・現在・未来」』も開かれます。こちらは前回の記事で紹介しているので、あわせて読んでみてください。

小説を読むとき、作品そのものだけでなく、作者がどこからその表現を持ってきたのかを辿って楽しむ人がいるように、技術も楽しめる。古川さんは以前のインタビューで、そんなふうに話していました。この4人が同じステージに立ったとき、どんな言葉が飛び交うのか。正直、私もまだ想像しきれていません。だからこそ、当日がとても楽しみです…!

いつものツールの、その先にいる人たちの言葉を聞きに。10月24日、大手町の会場でお会いしましょう!

Vue Fes Japan 2026

項目

内容

日時

2026年10月24日(土)

会場

大手町プレイス ホール&カンファレンス

パネル

JavaScriptエコシステムの境界線を問い直す(15:50〜16:50/ウェルネス×hacomonoトラック)

公式サイト

vuefes.jp/2026

イベントページ

vuefes.jp/2026/event

チケット購入

vuefes.jp/2026/ticket

※本記事の内容は、2026年10月時点の公式情報をもとにしています。

For English readers At Vue Fes Japan 2026 (October 24, Tokyo), four people behind the foundations of JavaScript development share one stage: Evan You (Vue.js, Vite, VoidZero), Yosuke Furukawa (Japan Node.js Association), Alistair Smith (Claude Code and Bun at Anthropic), and Leo Kettmeir (Deno, JSR). The panel explores the shifting boundaries between tools, implementations and standards, and projects and communities. Learn more at vuefes.jp/2026.

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