• 誰かの「やりたい」を叶えたい。NozomuさんのOSS活動

誰かの「やりたい」を叶えたい。NozomuさんのOSS活動

2024.11.19読了目安: 10
メンターインタビュー
誰かの「やりたい」を叶えたい。NozomuさんのOSS活動

この記事に登場するメンター

今回は、TechTrainメンターのNozomuさんにインタビューさせていただき、OSS活動をはじめたきっかけやキャリアへの影響などを伺いました!OSS活動に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。

-生田さんのご経歴

  • 大学卒業後は、高校の非常勤英語講師として勤務。ITに触れる機会が全くなかったため半年で退職。
  • 退職後は、プログラミングを独学で勉強。並行して約半年後の応用情報技術者試験の合格を目指し、半年ほどで合格。
  • Web制作会社に入社し、WebサイトやECサイトのフロントエンド開発を行う。働いているうちに、指示要件の実装だけでなくエンドユーザーに直接提案してより良いものを追求できる環境がいい、自分がエンジニアとしてやりたいのはユーザーの課題解決ができるアプリ開発だと考えるようになり、転職活動を始める。
  • LINE株式会社(現LINEヤフー株式会社)に入社し、プライベートクラウドにおける管理画面のフロントエンド開発に携わる。ユーザーは社内の人なので距離はぐぐっと近くなり、管理画面の開発も仕事の進め方も理想に近い形に。その後、対外サービスであるLINE公式アカウント事業のテックリードとしてフロントエンド開発を行う。LINE在籍中にOSS活動を始める。
  • ロールにとらわれない働き方ができる環境にいきたいと思い、役割が流動的なフェーズであったグローバルブレイン株式会社に転職。開発メンバーが3人という環境の下、タスクの切り分け方が専門領域ごとではなくプロダクト内の機能ごとであったため、一人でフロントエンドからデータベース設計まで幅広い経験を積む。
  • 次のステップでは全員がプロダクト志向を持つプロダクト開発に携わりたいと考え、2024年1月に設立したばかりでライドシェア事業を手掛けるnewmo株式会社に10月に入社。

-IT業界に入ったきっかけを教えてください!

幼い頃からパソコンを身近に感じられる環境で育ちました。小学生のころはお絵かきがメインでしたが、中学生になるとホームページビルダーを利用して簡単なホームページを作るなどして遊んでいました。

ですが、進学先は特にこだわりがなく大学は教育学部へ。在学中はちょうどiPhoneやAndroidなどスマートフォンが流行り出した頃で、自分でもアプリを作ってみようと思いコードを書き始めました。当時はツールなどが全く整備されてなかったこともあり、難しくて開発を途中で断念してしまいました。そんな中、ゼミの活動が本格化していくうちに、”勉強したいと思った人がどこでも勉強できる”環境があるといいと思うようになりました。その環境を実現するためにはITの活用が重要だと考え、教育×IT、いわゆるEdTechに興味を持ったことがIT業界を志望するようになったきっかけです。

-OSS活動とは何ですか?

「OSS活動」という正式な言葉はなく、定義は文脈や立場により様々です。一般的に、Open Source Software(オープンソースソフトウェア)へのコミット(開発・保守)や、OSSを広めるコミュニティ活動などを指すことが多いです。Open Source Softwareは、無償でソースコードが公開されていて、利用や改良を誰でも自由に行うことができます。

代表的なOSS:

・プログラミング言語:PHP、Swift、Go

・フレームワーク:Ruby on Rails、Vue.js、React.js、Laravel

-OSS活動との出会いを教えてください!

Web制作会社でjQueryやVue.jsを使っていた当初は、よく使われているライブラリのひとつだとしか思っていなくて、それがOSS(オープンソースソフトウェア)であるとは捉えていませんでした。LINEに入社してからはOSS活動なるものがあることはよく耳にしていましたが、正直その時点では猛者たちがやっている活動だと思っていました(笑)。

しばらくして、あるプロジェクトでドキュメンテーションサイトを自動生成する必要があり、Nuxt.jsのモジュールのひとつである「Nuxt Content」を使いました。当時はまだ新しいモジュールであったため機能が不十分で、自分たちがやりたいことができないということがありました。具体的なことをお伝えすると、Nuxt ContentはGitHubのAPIのドメイン(github.com)のURLがハードコードされていて、エンタープライズ版のGitHubをカスタムドメインで利用していたたLINEの環境ではうまく動かなかったのです。そのため、ハードコードされている箇所をオプション化して、自分たちのドメインのAPIを呼び出せるように直したのですが、それが初めてのOSSコントリビュートでした。

てっきりすごい人たちがやっていると思い込んでいましたが、実際にやってみたら「どうやら自分でもできるっぽいぞ」と気づきました。OSSの機能が安定化していない初期のタイミングにたまたま基礎的な課題が目の前に運よく転がっていて、課題に気づきコントリビューションするというひとサイクルを回すことが出来たのが大きな経験となりました。

-OSS活動にハマったポイントは何ですか?

業務での課題を解決するために、OSSにコントリビュートするということも楽しかったですし、GitHubでIssueが立っている問いに回答していくのにかなりハマっていきました。

自分がコントリビュートしているNuxt Contentのドキュメントは全て読みましたし、コードもバグ修正のために全て把握していました。「これはどうやればできますか」という質問に回答できる状態にあったので、「こうやるんですよ~、ドキュメントだとここに書かれていますよ~」というように、Q&AのIssueに答えていくことをメインに活動していきました。顔も見たことがない相手でしたが、困った人に情報を提供し、「できました!ありがとうございます!」と言ってもらえるという、技術的なことでお金をもらわずに感謝される経験はあまりなかったので新鮮で面白いと感じました。人の役に立っている実感が得られたことが、ハマったポイントだと思います。

-OSS活動をして良かったことはありますか?

人が集い、あるテーマに沿って話し合うことがもともと好きな性格のため、OSS活動のようにみんなでわいわい話し合うことができるのは単純に楽しいと感じています。

LINEにいた頃は社内勉強会やミートアップイベントでVue.jsをテーマに登壇する機会が多く、OSS活動をしていたから少し目立って声を掛けられることが多かったかなと思いますし、広く知識があることを評価されて登壇機会に恵まれたと思います。

LINE時代はいち参加者としてイベントに登壇・参加していましたが、2022年からはVue Fes Japanの運営の活動に回るなど、活動を通しての出会いやきっかけで活動の幅が広がっていると実感しています。

-OSS活動はエンジニアのキャリアにいい影響がありますか?

長期的なキャリア形成においては、今のキャリアに満足しているのでプラスの影響はあると思います(笑)。短期的なキャリア形成の観点では、業務としてOSSにコミットする場合を除き、OSS活動自体が所属企業への直接的なビジネスインパクトを生みづらいので直接的なキャリアアップへの影響はあまり期待ができないと思います。

つまり、OSS活動は短期的なキャリアアップだとかお金を稼ぐ目的というより、中長期的なプログラミングスキルや問題解決のためのソフトスキルのトレーニングとして役立てるのがいいと思います。

そして、コミュニティ活動や人とのつながりが好きな人、みんなでわいわい話すのが好きな人はOSS活動に向いていると思います。技術の発展により自力でキャリア形成をするのが難しい時代になってきていると思うので、社外の人は見せられない社内コードも、OSSだとコードを共有できるので自分のPRになるなどリファラルのフックを得られる機会になると思います。

自分はOSS活動を通して感謝される喜びを感じることができましたし、コミュニティ活動で多くの出会いや刺激をもらうことができました。OSSはすごい人がやっているものだと思いがちですが、カンファレンスや勉強会に顔を出すことから始められるものなので、興味があれば気軽に参加してみてください。

-TechTrainメンターへの想いを聞かせてください!

TechTrainを知ったきっかけは、Vue Fesで出会ったKeigoさんから誘ってもらったMentor Kaigiというイベントでした。この度、副業ができる環境になったので11月からメンターをさせていただくことになりました。

お話ししてきたように元々教育学部出身で、”やりたいと思った人がやれる環境・やれるツールがある世界観”に興味があったことと、自分がイベントで登壇して技術を説明することで誰かが何かを理解する手助けになるようなことをずっと好きでやってきたので、TechTrainはまさに目指したい方向性に合っているサービスだと思っています!

-TechTrainユーザーへのメッセージをお願いします!

エンジニアは、前向きに課題解決を目指し、そのために議論をするのが好きな人がオープンに集まっている職種だと思います。”好き”をベースに仕事をしている人が多い印象を持っていますし、OSS活動などのプライベートな経験が垣根なく業務に活かすことができるラッキーな業種なので、ぜひ好きな技術、好きなフレームワークを見つけて深めていってもらいたいです。そのための壁を取っ払うのがメンターの仕事だと思っているので、何でも相談してきてください。前向きに悩んだら真っ当に結果が出るのがエンジニア、できないのは自分が悪いのではなく仕組みや構造に不具合があるからだという思考を持って、メンターである自分にたくさん質問してください。自分もメンター初心者です!一緒に成長していきましょう。


社会課題を解決する手段としてエンジニアをやっているとおっしゃるNozomuさん。貢献したい気持ちがOSS活動につながり、人や社会のためになることをし続けていらっしゃいます。

TechTrainでは今回インタビューに答えて頂いたNozomuさんをはじめとして、140名以上のメンターから無料で1on1メンタリングが受けられます。サイドメニューの「面談予約」からぜひメンタリングの予約をしてみてください!

NozomuさんをがTechTrainメンターとなるきっかけを作ってくれたメンターKeigoさんの執筆した記事も公開されました!

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